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パーマの豆知識
「施術履歴」ってなに?
サロンで施術を受ける前に、カウンセリングシートを記入したり、美容師さんからこれまでに受けたことがあるカラーやパーマについて聞かれたりしたことはありませんか?これは、「施術履歴」の確認です。施術履歴とは、パーマやブリーチ、カラーリングなど、これまで髪に施してきた施術についての情報のことで、パーマをかける際にもとても大切な情報です。ここでは、施術履歴とパーマの関係や、美容師さんに施術履歴を伝えるポイントについてご紹介します。
パーマと施術履歴の関係
パーマをかける際、美容師さんは薬剤や髪を巻くロッドの太さ、放置時間などを細かく計算して施術をしていきます。例えば、ダメージが強めの髪では薬剤が過剰に浸透してしまいやすいためマイルドな薬剤を選択する、硬めの髪では薬剤の反応時間を長めにとるなど、お客様一人ひとりの髪に合わせて工程をつくっていきます。髪の状態を見極めるうえで、見た目や手触りに加えて施術履歴の情報があることで、髪のダメージ度合いやパーマ薬剤との相性などをより適切に判断できるようになります。そのため、美容師さんに正しく施術履歴を伝えることで、理想に近い仕上がりが期待できるほか、髪のダメージや思わぬトラブルを防ぐことにもつながります。
施術履歴によるトラブル事例
縮毛矯正のご予約で初めてご来店されたお客様。ロングの黒髪で、髪の手触りもしっかりしていました。しかし…施術後毛先がチリチリに!実は、1年以上前までは何度かブリーチを繰り返されていた方で、黒染めをしていたのでブリーチをしたことが見た目にはわかりにくくなっていました。強いダメージが残っている毛先は縮毛矯正の薬剤に耐えられなくなっていたのです。施術履歴は、このような深刻なトラブルを防ぐためにも役立ちます。では、美容師さんに「何を」「どのように」伝えればよいのでしょうか?
施術履歴を伝えるポイント①ブリーチやハイライトの履歴は必ず伝えて!
サロンでの施術のなかでも、ブリーチはダメージ度の高い施術です。ブリーチで髪を非常に明るくしたことがある方は、美容師さんに必ず伝えましょう。ハイライトを入れたことがある方も、ハイライトにブリーチを使用していることがあるので、伝えておくと安心です。「最後にブリーチをしたのはかなり前だけど…」という場合も、おおよそいつ頃のブリーチが最後かを伝えておきましょう。なぜなら、毛先にはブリーチをした部分が残っている可能性があるからです。髪は1か月におおよそ1~1.5cm伸びるといわれており、1年でも15~20cmしか伸びない計算になります。特に髪を伸ばしていてブリーチをしたことがあるという方は要注意です。
施術履歴を伝えるポイント②おうちカラーの履歴も伝えましょう!
カラーをしてから1か月以内にパーマをするときは、色落ちに注意しましょう。また、ご自宅でできるカラー剤の中には、パーマ剤と反応して変色してしまうものがあります。ホームカラーをされている場合は、どのようなタイプのものを使っているか美容師さんに伝えておくとよいでしょう。下で挙げるカラーはパーマとの相性では特に注意が必要です。
① 光で徐々に染まるタイプのカラー剤(化粧品分類)
パーマ剤と反応して緑色になることがあります。
② カラートリートメント(化粧品分類)
いろいろな色の染料が調合されているため、中にはパーマ剤で落ちやすい染料もあるため、色合いが変わってしまうことがあります。
③ 「おはぐろ式」と呼ばれるタイプのカラー剤(医薬部外品分類)
カラー剤に含まれる金属とパーマ剤が反応し、パーマ剤の効果が非常に弱まってしまう可能性があります。また、紫色に変色してしまうこともあります。
施術履歴を伝えるポイント③アイロンをよく使う?
ヘアアイロンをよく使用している方や、「ホット系」 パーマをかけたことがある方の場合、毛髪のタンパク質が熱の影響で変化し、パーマのかかりに影響が出る可能性があります。ヘアアイロンを使用する頻度も伝えるようにしましょう。
最後に
美容師さんは髪のプロです。見た目や感触、濡らしたときの状態などで、施術履歴の予想もつけることもできます。しかしながら、初めて来店されたお客様の場合、本来の髪の状態がすぐに判断できないなど、予想がつかないこともあります。例えば、真っ白にヘアブリーチした髪を黒染めした髪でさえ、乾いている状態ではダメージの程度が判別できないこともあります。髪についてプロフェッショナルである美容師さんでも、髪について確かな情報が多いほど適切な施術プランを立てることができます。ダメージやトラブルを避けられるだけでなく、思い通りの仕上がりに近づけるためにも、施術履歴はわかる限り伝えることが大切です。